弁理士とは
弁理士とは、国家資格者であり、私たちの発明や商品名を強い権利に育て上げるためのパートナーです。
私たちの身の回りに毎日のように登場する新製品は、多くの「特許」によって保護され、模倣品の出現や横行を防いでいます。 「特許」という言葉は、正しくは「特許権」を意味し、このほか、実用新案権、意匠権、商標権があります。
これら、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権(総称して「産業財産権(工業所有権)」といいます)は、特許庁へ出願し審査を経てはじめて登録されるものです(実用新案権は形式の審査のみ)。
この手続は、発明者が自分で行うこともできますが、大変複雑な手続ですので弁理士に依頼することをお勧めします。弁理士は依頼を受けると、権利取得までの手続をすべて代理致します。
また、権利の取得以外にも、知的財産や研究開発についての助言を行います。
ちなみに、毎年7月1日は、日本弁理士会によって弁理士の日に定められています。これは、1899年(明治32年)のこの日に、現在の「弁理士法」の前身 にあたる「特許代理業者登録規則」が施行されたことにちなむものです。この日の前後には、日本弁理士会や各地の支部により、講演会、シンポジウム、特許無 料相談会などのイベントが開催されています。
試験データ
平成20年11月5日に特許庁から発表されたデータでは以下のようになっており、平成20年度は過去最高の受験者数だったそうです。
- 受験志願者数 10,494人(前年比1.1%増)
- 受験者数9,727人(前年比1.1%増)
- 最終合格者数574人(前年比0.9%減)
- 合格率5.9%(前年6.7%)
試験内容
※内容は変更となる可能性があります。正確な情報は 特許庁のサイト にてご確認下さい。
短答式筆記試験 [5月下旬頃に実施 ⇒ 6月上旬頃に合格発表]
下記の分野の中から出題されます。マークシート式の問題で、3.5時間で60問を解答する試験です。
- 特許法、実用新案法:約20問
- 意匠法:約10問
- 商標法:約10問
- 条約(パリ条約、PCT、TRIPs等):約10問
- 著作権法:約5問
- 不正競争防止法:約5問
論文式筆記試験 [6月下旬~7月下旬に実施 ⇒ 9月下旬頃に合格発表]
短答式筆記試験に合格した人が対象となります。必須3科目(特+実、意、商)および選択科目で実施され、 すべて論述式の問題です。(選択科目は免除となる場合があります)
- 必須3科目[6月下旬~7月上旬頃に実施]
①特許法+実用新案法(2法で1科目):2時間
②意匠法:1.5時間
③商標法:1.5時間 - 選択科目(免除者を除く) [7月下旬頃に実施]
下記6科目の中から1科目選択し、選択した科目中の選択問題から1問題選択し解答:1.5時間
- 理工Ⅰ(工学)<8選択問題>
①基礎構造力学、②流体力学、③熱力学、④制御工学、⑤基礎構造力学、⑥建築構造、⑦土質工学、⑧環境工学 - 理工Ⅱ(数学・物理)<7選択問題>
①基礎物理学、②計測工学、③光学、④電子デバイス工学、⑤電磁気学、⑥回路理論、⑦エネルギー工学 - 理工Ⅲ(化学)<6選択問題>
①化学一般、②有機化学、③無機化学、④材料工学、⑤薬学、⑥環境化学 - 理工Ⅳ(生物)<4選択問題>
①生物学一般、②生物化学、③生命工学、④資源生物学 - 理工Ⅴ(情報)<4選択問題>
①情報理論、②情報工学、③通信工学、④計算機工学 - 法律(弁理士の業務に関する法律)<6選択問題>
①民法、②民事訴訟法、③著作権法、④不競法・独禁法、⑤行政法、⑥国際私法
口述試験 [10月中旬頃に実施 ⇒ 11月上旬頃に最終合格発表]
論文式筆記試験に合格した人が対象となります。「特許法・実用新案法」「意匠法」「商標法」の3科目について、各科目10分程度の口頭による試問があります。
試験免除について
すでに特定の分野における資格を有している人や、過去の弁理士試験で途中まで合格した人などに対する優遇措置として、試験の一部を免除する制度があります。
短答試験免除
短答式試験に合格した場合、合格の日から2年間、短答式試験の全ての試験科目が免除されます。(平成20年度試験以降)
論文試験(必須科目)免除
論文試験に合格した場合、合格発表の日から2年間、論文試験(必須科目)が免除されます。(平成20年度試験以降)
論文試験(選択科目)免除
(1)論文試験に合格した場合、合格発表の日から永続的に免除されます。(平成20年度試験以降)
(2)また、下記に該当する人は論文式筆記試験の選択科目が免除されます。
・大学院修士以上修了者(研究分野における条件あり)
・技術士
・情報処理技術者(特定の試験区分の合格者)
・司法試験に合格した者
・行政書士
・司法書士
・薬剤師
・一級建築士
・第1種電気主任技術者
・第2種電気主任技術者
・電気通信主任技術者
特許庁の審査官等
特許庁において審判・審査の事務に従事した期間が5年以上になる人は、工業所有権に関する法令(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)および条約について行う試験が免除となります。
(短答式試験では不正競争防止法と著作権法のみ、論文式試験では選択科目のみの受験となります)
弁理士試験の現状
弁理士試験の現状について「とるぞ~」スーパーバイザーの岩田先生と名古屋にある特許事務所で 仕事をしながら弁理士を目指しているTさん、Mさんに、弁理士試験学習の現状や、とるぞ~の活用方法について聞いてみました。
(1)学習方法
弁理士試験は、法律系の資格試験の中でも難関試験であるため、単年での合格は難しく、 会社勤めをしながら予備校に通い、数年かけて弁理士資格を取得するという人の割合が多いようです。
学習方法ですが、多くの弁理士試験合格者を輩出した予備校へ通うか、 もしくは、それらの予備校が提供している通信講座を受験するというパターンが一般的のようです。 特許庁が発表している弁理士試験合格者の内訳をみてみると、 そのほとんどが東京、大阪、名古屋などの都市部近郊に在住していることから、 受験情報が充実している土地に住んでいる人が有利という印象があります。
弁理士試験の受験生に有名な予備校として、 「LEC東京リーガルマインド」「W(早稲田)セミナー」「代々木塾」があります。
(2)情報収集
弁理士試験に関する情報収集は、予備校や知人友人から入手することが多いようです。 インターネット上に、いくつか有名なサイトやブログはあるそうですが、有用な情報がきちんと整理されているという印象はあまりないそうです。
そのため、弁理士試験のコースを設立している予備校が少ない地方に住んでいる受験生は、 やや不利な状況で試験勉強をしていると思われます。
(3)スーパーバイザー岩田先生に紹介していただいた書籍です。
- 4法対照条文集
- 工業所有権法逐条解説(通称、青本)
- 産業財産権法の解説(法改正にあわせ、数種あります)
- 特許法概説 第13版(但し、絶版です)
- 工業所有権法(上)特許法
- 知的財産権侵害要論
- 商標審査基準の解説
- 図解 マドリッドプロトコル
- ベーシック(LEC)
- 短答アドバンス(LEC)
- 論文アドバンス(LEC)
- パテントニュース(月刊)
- 弁理士受験新報(月刊)